脳腫瘍

脳腫瘍とは

脳腫瘍とは、脳の疾病のひとつで頭蓋内組織に発生する新生物(腫瘍)のことを意味します。
脳腫瘍は脳細胞だけでなく、硬膜、クモ膜、頭蓋内の血管や末梢神経、その他の頭蓋内に存在するあらゆる組織から発生します。発生頻度は毎年約100,000人に12人の割合であるとされています。具体的な発生要因は明らかではありません。

種類

脳腫瘍には、脳組織自体から発生する「原発性脳腫瘍」と、他の臓器のがんが脳へ転移してきた「転移性脳腫瘍」の2種類があります。脳腫瘍と言う場合は通常、原発性脳腫瘍を意味します。良性脳腫瘍には「髄膜腫」、「下垂体腺腫」、「神経鞘腫」の3種類があります。

症状

発症する部位や腫瘍の性質によりさまざまな症状が現れます。一般的な症状としては、頭痛や嘔吐、歩行困難があります。また、腫瘍ができる部位により、次のような症状が現れます。

●右前頭葉の運動野(手足の運動を司る部分)
左半身の麻痺

●左側の前頭葉
無気力や尿失禁、右半身麻痺、言語障害

●後頭葉
視野が狭くなったり、視野が欠けて見えたりする

●下垂体や松果体
ホルモン分泌の異常や眼球の運動障害

●小脳や脳幹
手足のふらつき、めまい、聴力障害

原因

具体的な原因は解明されていません。

生存率

悪性腫瘍の場合、術後の5年生存率は10%です

参考)
国立がんセンター中央病院 2006年

再発・転移

原発性脳腫瘍はほとんど他臓器などへ転移することはありません。

治療

脳腫瘍はグレードで悪性度を区分し、例えば神経膠腫の場合においてグレード4となると神経膠芽腫(グリオブラストーマ)と呼ばれる“がん”であり、現在、タモダールという抗がん剤が手術、放射線治療と併せて用いられているも、その効果、予後は厳しいと言わざるを得ません。従って世界的にも今までに様々な免疫療法が試みられてきています。

提携先の神戸ハーバーランド免疫療法クリニックでは、最近になって導入したWT-1ぺプチベータを、独自に開発した樹状細胞ワクチン療法へ用いることで、手術、放射線治療後の神経膠芽腫の患者さまに顕著な効果を得ることに成功しています。当院でも更に、活性化Tリンパ球療法、NK細胞療法を併せて施行することで予後の改善を目指しています。