NK細胞療法

NK細胞療法とは?

NK細胞療法とは血液から採取したリンパ球を体の外で増殖、活性化させ、主に静脈を通して体内に戻すことでがんへの攻撃が期待される治療法です。
NK細胞は常に体内を動き回っており、特に正常細胞の目印を持たないがん細胞を発見し、これに積極的に攻撃を仕掛けます。

なお、一部血液系のがん(成人T細胞白血病、HIV)では適応が難しい場合がありますのでご相談ください。

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NK細胞療法の特徴

●NK細胞は特に細胞殺傷能力の高いリンパ球であり、活性化されたNK細胞はがん細胞を積極的に攻撃します。
●NK細胞は特に正常細胞の目印を持たないがん細胞に対し、攻撃を仕掛ける能力があります。
抗体医薬と併せればより強力な効果を示します。
●患者さま自身のNK細胞を使用するため、副作用はほとんどありません。
●転移しているがんや再発予防に効果が期待できます。

【当院の特徴】NK細胞を増強して、殺傷力を高める

図1:NK細胞を2~3週間培養すると数が増え、1個1個のNK細胞も活性化する

NK活性
図1は、左側は細胞の増殖の様子を、右側は細胞が活性化した時に出てくるマーカーを示しています。この図からも、培養したNK細胞が活性化していることがわかります。

こうして培養したNK細胞の能力は優れていて、通常のNK細胞に比べると、がん細胞に対する殺傷力(細胞傷害活性)が高まっています。

 

図2:培養したNK細胞は活性化し、同数の末梢血NK細胞と比べるとより高い細胞障害活性を示す

NK細胞活性
図2は、培養したNK細胞と、同数の末梢血中のNK細胞を比較しています。この図からも、培養したNK細胞の殺傷力が高まっていることが明らかです。

NK細胞の働き

リンパ球は体内の白血球のうち20~40%を占め、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞などの種類に分類されます。そのうちNK細胞は、がん細胞やウイルス等に感染した細胞、またTリンパ球の免疫監視機構を逃れたがん細胞に対しても、樹状細胞やヘルパーT細胞の指示なしに単独で攻撃するという特性があります。

NK細胞療法の進め方

成分採血

1. NK細胞の元となるリンパ球を採取するために、約30ml採血します。

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培養

2.採取したリンパ球を培養し、NK細胞を数億~10億個まで増殖させます。

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3. 採血から2~3週間後に点滴にて投与します。
※治療を繰り返し行う場合は、次回投与分の採血も併せて行います。
※問診、NK細胞の点滴などに掛かる時間は1時間程度です。

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4. 治療開始より3ヵ月前後を目途に治療内容について再度検討します。